不妊治療の薬物療法、夫婦間人工授精法、胚移植法 [不妊治療]
不妊治療の薬物療法では、hMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)、クロミフェンなどの薬が処方されるでしょう。夫婦間人工授精法(AIH)は、精液の中の不要物質を取り除くという不妊治療の方法です。胚移植法(IVF-ET)とは、成熟した卵子を一旦体外に出して、培養液の中で精子と受精させて育てた後に子宮に戻す方法です。
不妊治療の薬物療法
不妊治療の薬物療法では、hMG(ヒト閉経ゴナドトロピン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、hCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)、クロミフェンなどの薬が処方されるでしょう。
上記に挙げた薬は、全て排卵誘発剤と言われるもので、クロミフェン以外は注射で投与され、クロミフェンは経口薬として処方されます。
これらの薬が体内に入ると、卵巣に働きかけ、卵巣が大きくなりやすくなるのです。
そして、その結果、排卵しやすくなります。
その他、体外受精の場合には、GnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニストというホルモンを抑制するための薬が処方されることもあるでしょう。
卵子の生育を助ける働きや、卵子が早く排卵しないようにしたりすることができます。
その他、不妊の原因によって、様々な薬が処方されます。
もし、不妊になる疾患があれば、それに対応した薬を処方してくれるはずです。
患者の状況を見ながら、医師が治療方法を考えてくれますので、医師とのコミュニケーションも治療には非常に大切になってきます。
夫婦間人工授精法(AIH)
夫婦間人工授精法(AIH)は、精液の中の不要物質を取り除くという不妊治療の方法です。
精液の中の不要物質を取り除いて、元気な精子を濃縮させることにより、受精の確率を高めます。
不妊の原因が分からない場合や、精子と頚管粘液との相性が良くない場合、元気な精子が少ない場合などに用いられることが多い方法です。
まず、精子の採取が必要なのですが、これは自宅で行っても、病院で行ってもかまいません。
精液の中の不要物質を取り除く際には、アイソレートという液体を使用します。
アイソレートを使って処理するのに、1時間30分くらいの時間がかかるでしょう。
その処理が終わると、子宮の中に人工授精針を使って処理済みの精子を注入していきます。
一見、痛そうに感じるかもしれませんが、痛みはありませんし、時間的にも短時間で終わります。
そのため、入院する必要はなく、すぐに家に帰ることができるのです。
夫婦間人工授精法(AIH)は健康保険が適用されないので、全て自己負担となり、一回で1万5千円前後かかるのが一般的でしょう。
胚移植法(IVF-ET)
胚移植法(IVF-ET)とは、成熟した卵子を一旦体外に出して、培養液の中で精子と受精させて育てた後に子宮に戻す方法です。
少し前までは、限られた病院でしか行われていなかった方法ですが、現在は技術が進歩してきているため、一般的な病院でも行われるようになってきました。
胚移植法には、移植を成功させるために、患者自らが行うことができることがあります。
それは、移植前はできるだけトイレに行くのを控えることです。
その理由は、膀胱が尿で一杯になっていると、子宮の傾きがゆるやかになって、移植がしやすくなるためです。
一般的に、女性の子宮は前方に傾いているのが普通なのですが、傾き加減がキツイと、移植する際にカテーテルが思うように入らず、つっかえてしまうことがあると言われています。
スムーズにカテーテルが入らないと、移植するのに時間がかかってしまうばかりでなく、出血を引き起こすこともあります。
すると、妊娠する確率が非常に下がってしまうのです。
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